長い。
本当に次は10km先か?それ以上あるんじゃないか?
ここまで来たら100kmのゴールのことなど頭にはない。
直前のチェックポイントをただただ目指すのみ。
しかし、着かないじゃないか!
けど、どうして練習以上の距離を歩いているのに、練習の時ほど
辛くないのだろう。
どうしてまだいけるぞって思えるんだろう。
たぶんそれは、これが本番だからだ。
これを歩ききれば次はない。
そういう思いが体中に行き渡っているからだ。
この思いが歩きを支えているんだ。
ようやく着いた65kmのチェックポイント。
やまじゅうから10kmだったのに、30km歩いたほど疲労が来た。
到着時間は午前1時。最適ペースから1時間の遅れだ。
しかし、時間やペースを考える余裕がもうない。
本当にただ歩くのみという感じになっている。
津幡駅付近のお多福でカツ丼を食べて一気に睡魔に襲われ、フラフラに
なりながらやまじゅうにたどり着いた米林氏。
(満腹にしたらいかんのだよ、パシフィック不動産の米林社長!)
テルメから一人でやまじゅうまで歩いて、また一人で行こうと
するのを引き留めて一緒に歩いてきたけど、彼も65kmでは疲労困ぱいの
様子。着くなり大きな庭石に足を乗せて寝ころんだ。
まだ、眠いのかも。(庭石に思いっきり足乗せていいのか?)
オレももうダメだぁ~。
足裏が両足とも全面的に痛い。一歩一歩がとにかく辛い。
まだ、35km以上あるのにいけるのか?行くのか?
いや、行くんだ!
完歩するために来たんだ!
どれくらい休憩時間を取ったか覚えていない。
最適とされているペースはもう無茶苦茶だった。
次は、72km地点の中橋商事さんを目指す。
次では、炊き出しが食える。そうだ、食い物を目指して歩け!
この65km以降、メンバーから少しづつ遅れるようになる。
歩きながら眠ってしまって、車道に出てしまい車に引かれそうに
なったり。結構もうろうとしていたみたいだ。
72kmのチェックポイントに着いたのは、4時近かったようだ。
炊き出しは、豚汁みたいな説明のつかないものだっったけど
ありがたい。眠くて寒いから暖かいものがうれしい。
どのチェックポイントでもみんな笑顔で明るく迎えてくれる。
本当にみんなに支えられて歩いているんだ。
一人では絶対に100kmなんて歩ききれない。
少しでも眠った方がすっきりしていいだろうということで
20分ほどだろうか、震えながら眠った。
あと30kmほどだ。
これから夜も明けてくる。
絶対に歩き切るんだ。
最適ペースからは2時間遅れになっている。
どこに行ってしまったんだ、時間的にアドバンテージがあったはずなのに。
一気に時間との勝負もしなければいけない状況だ。
とにかく、次の79km地点を目指す。
この区間では、完全にペースダウンだ。
他のメンバーについて行けない。
眠い!寒い!痛い!辛い!そして、孤独になってしまった。
79km地点到着。午前6時20分ごろ。
トイレに行ってすぐに発つ。
田村氏から「マッサージ受けたらいいぞ」と言われたけど拒否。
だって、時間がないんだぞ。
今回は、100km+3km。あと24kmある。
時速4kmは出せない。3kmだと、8時間かかる。
けど、8時間切っているんだ。
その言葉に田村氏も血豆などのケアだけで済まして歩き出す。
次は85km地点のサークルKを目指す。
歩き出しはなんとか二人で歩けたけど、1kmも進む前に遅れ出す。
「僕に構わず先に行って!」の言葉に田村氏は先に行ってしまうので
あった。
ひとりぼっちになってしばらくして、芝寿しの梶谷社長から電話が。
履歴をみたら 7:08。
もうボロボロ状態で電話どころではないけど、明るく対応できた。
「これから七尾に向けて出発するから、どれくらいボロボロか見に行くから」
この状態の人間にあんまりお気楽なこと言わないで欲しいんですけど。
7時50分。85kmのチェックポイント到着。
休憩もそこそこに出発する。
先に到着していた田村氏と一緒に出発するも、すぐに一人に。
次は、93km地点が目標。
ここで(8:11)うちのスタッフ全員にメールを出す。
完歩できるか微妙
もうボロボロ
あと17キロ
午後2時タイムアップ
順番に励ましのメールが飛んできた。
メールを読んだら元気が出てきた。
がんばろう!
あと5~6時間歩くだけだ。
え~、そんなにまだ歩くんかよ!
すぐ、元気がなくなった。
この8kmが長いこと。
目印のアルプラザ鹿島の看板は遙か彼方だ。
ああああああ、看板を探すんじゃなかった。
あんなに遠いなんて。
気持ちは、もうラストスパート状態。
けど、足が進まない。
足首の力もないらしく、左右にふらつく。
もうなんともならないほど足裏が痛い。
なんか対策しないと痛さで心がくじける。
そうだ!今こそ「この足は俺の足じゃないんだ!作戦」で行こう。
この作戦なら痛い足は自分の足じゃなくなるから、ペースを取り戻せるに
違いない。
作戦はまんまと成功、嘘のようなスピードで、数百メートル離れていた
田村氏に追いつき追い抜かす。
追い抜かした時の田村氏の疲れ切ってるけど「なにごとだ?」の顔が
忘れられない。
「この足は俺の足じゃないんだ!作戦」なんだと説明した後の「悪いけど
そんな意味わからん話をこの状態でいうな」という顔もまた、忘れられない。
いい思い出になった。
しかし、その作戦も長くは続かない。
やっぱり足は再び悲鳴をあげるのだ。
作戦中止。通常モードに。
「ああああ、もうどうしても痛い」
やっとの思いでチェックポイント到着。
93kmのチェックポイントは、ゼッケンだけ見せて通過。
もう休む余裕がない。止まったらダメだ。
座ったらもう立ちあがる自信がない。
このチェックポイント手前で、左足をくじいてしまった。
左右のふらつきを踏ん張る力が足首にないようだ。
痛い。ちょっとビッコ引くような歩き方しかできない。
けど、そんなのカンケーねぇ。
ここまで来たんだ。完歩する、絶対。
田村氏も止まったら動けなくなるから先に行くと
メールしてきた。